PROJECT of PASSPORT

  

東京に出て、一人で暮らしたい。
と、誰もが思ったはずだ。
やりがいや生きがいを持てる仕事を持ち、アフターファイブは六本木で軽く遊び、恋人は商社のＯＬで、半同棲くらいのレベルで付き合う。
決して深くは突きあわない。
ほどほどに・・・・・だ。
車はシーマを購入し、夏にはヨットもチャーターしたい。
夢にまで見た東京ライフ。
すべてが揃っていて、欲求を満たすべく、様々なカルチャーが乱立している。
『・・・あの、馬鹿息子…』などと、陰口もたたかれない。
近所のたわごとなんて、カエルの面にションベンだ。
やりたいように生きれる町。
個性が散乱する町。
それが、東京だ。





「・・・こんな、田舎町とおさらば。口うるさい親から離れて、独立した人間として、東京で生きてゆく・・・」
こんな、志を胸に秘め、ＪＲに飛び乗った少年少女はたくさんいるだろう。
バイトで貯めた金を握り締め、ボストンバックにＴシャツ３枚と歯磨きセットくらい詰め、ウオークマンで『キンクス』くらい聞いて、アンニュイな雰囲気で出発する。
希望が不安を超越する。
若さと健康が最大の武器だ。
しかし東京の摩天楼は、彼らを歓迎するそぶりを漂わせながら、裏では唾を吐く・・・。
『・・・ちぇ、またいつもの田舎もんかよ…』と。
『・・・。もう、あきあきしてんだよな～、お前らみたいな奴らはよ・・・』と。







まずは、収入源を見つける。
これは、職種を選ばなければ、なんとかなる。
大田区にある、印刷工場の雑用的仕事にありつく。
『・・・使ってやってもいいが、仕事はきついし金も安い…』と、言われる。
それでもいい、と、返事をして、労働組合の会員証をもらう。
灰色の会員証だ。
手取り１７万プラス、残業手当が少々、昼飯は弁当がつく。
テレビで見たトレンディードラマとは、ほど遠いが、「まあ、しかたがない・・」と、彼は思う。






マンションは近くで見つけよう。
そう思い、不動産屋をあたる。
贅沢は言わないが、８畳くらいの１ルームで、バスルームとトイレが別々で、景色が見通せて、できればセキュリティーもしっかりした部屋が良い・・・、と彼は言う。
『・・・ぴったりの条件の部屋はいくつかありますよ。駅まで歩いて５分で・・・月２０万。ちょっと離れると・・・月１８万から１６万ってところですかね？・・・」
と、不動産屋さんは、機械的に紹介する。
彼は、息を飲み、びっくりし、あわてる。
「・・・月、５万までしか出せません・・・」
『・・・５万？それじゃ・・・・あそこしかないな～…』
不動産屋さんが連れて行った場所は、どぶ川が流れるほとりの、築５０年のボロアパートだった。
嫌な臭い、風呂なし、管理されない生ごみ、汲み取り式共同便所、不衛生な共同の台所、ゴキブリ・・・・・。

『・・・ここなら、光熱費込みで５万です。』
「ほかには、ありませんか？」
『・・・お客さん・・・この町で、５万円だったら・・・、ここしかありません。これでも、安くしてあるんですよ。この部屋』
「わかりました、ここに決めます」
『・・・そうですか、それは良かった・・・・ちなみにですけど・・・この部屋、以前に首つりがあったんですけど・・・気になさらずに』
「・・・・・・・・・・・・」
『・・・東京はいい街ですよ・・・すばらしい、東京ライフを…』
不動産屋はそう言って、鍵を渡した。








その後、彼は、労働組合の会員証と、アパートの鍵をジーンズのポケットにしまい、仕事へ出かける日々。
仕事はきつく、汗と塗料にまみれ、夜遅く帰ると、銭湯が閉まっている。
水道に頭を突っ込み、洗っていると、『おい！うるさい！何時だと思っているんだ！殺すぞ、てめえ・・・』と、アパート住民に怒鳴られる。
生ぬるい缶ビールを飲み、スルメをかじる。
これが、夕食だ。
カビだらけの布団にぶっ倒れ、彼はおやすみの代わりにこうつぶやく・・・。
『ＴＯＫＹＯ　ＬＩＦＥ』










ＢＹナリハラ


  

夏休み・・・・なんて素敵な響きなんだろうか？
１か月も学校が休みだなんて、最高である。
これを最高と言わずして、何を最高と言うのだろうか？
って言うくらい、うれしく、わくわく、どきどき。
小学生の時なんて、飛び上がって喜んでましたね、「やったー！夏休みだ！」と。
朝起きて、ラジオ体操行って、そのまま野球して、昼ごはん食って学校のプール行って、晩飯食って夜祭に行く。
一日中、遊びほうける。
勉強なんてしない。
２学期の事なんて考えない。遊んで遊んで遊びまくる。
残り１週間になっても、宿題はしない。
「・・・ひょっとしたら、明日学校が火事になるかもしれないし、そうなったら休みが延長されるし、だったら宿題は、まだやる必要がないだろう・・・」という、楽観的憶測のもと、遊び続ける。
最後の３日は苦しむ。
友達と宿題を分け合う。
そして、言い訳を考える。
「・・・実は・・・母親が病気でして・・・父も家にお金を入れなくて・・・つまり僕は、そんな環境の中、宿題をやれる気分じゃなく・・・・」と。
「・・・実は・・・・夏休みの間、記憶喪失になっていまして・・・・記憶が戻ったのが、夏休み最終日でして、その・・・」と。
とまあ、苦しんで、夏休みが終わる。
嗚呼、夏休み・・・。





中学になると部活動の夏休みになる。
高校はバイトの夏休みとなる。
そして、やがて、社会人になり、夏休みとさよならすることになる。
夏であれ冬であれ、食わなきゃいけないから、休んでなんかいられない。






俺の知り合いで、６０歳くらいの男の人が、「人生にとっての夏休みは、大学の４年間だった。あの４年間があるから、今もやっていける・・・」と、言ってた。
彼が、大学生だった頃は、学生運動真っ盛りで、吉田拓郎や井上陽水が、フォークギターでメッセージソングを歌っていた頃だ。
きっと、彼は、４畳半のアパートで、仲間たちと毎晩のように、柿の種をつまみにサントリーレッドを飲み、この国の明日や、ベトナム戦争の意味や、自分たちの将来について、語り明かしたことだろうね。
伸びっぱなしの髪の毛、洗濯されていないＴシャツジーンズ、カップ麺の残り汁に浮いているシケモクの山。
汚い風景なんだけど、彼にとっては、宝物なんだろうね。
きっと、自分なりに輝いていた頃の、重要な思い出なのだろう。




嗚呼、夏休み・・・。
人間は、休むべきでしょう・・・・。














ＢＹナリハラ  

ハワイに来て、何をするか？ってことなんだけど、みなさんもご存じの通り、アクティビティーがいろいろあります。
ソフトなやつからハードなやつまで、多種多彩。
最初、スカイダイビングとか、考えましたが・・・・・、いやいや、無理だ。
だって、２階の屋根すら上がるの怖いし・・・・。
失敗したら死ぬし・・・。










で、最初選んだのが、セスナの運転ってやつね。
自動車学校的な、教官みたいな日系人が隣に乗ってくれて、いろいろと指示をくれるんですが、適当なんすよ、これがまた。
「・・・高度上げて・・・」「・・・左に回って・・」とか。
ヘッドセットで話すんだけど、何言ってるのか？わかんなくてさ・・・。
講習が、表を見ながら、５分くらいあっただけなんで、早い話が、わかんない。
やばくなったら、彼が操縦かんを操作するわけだけど、とにかくびびりまくり。
気分は、トップガンのトムクルーズだったんですが、トムとジェリーみたいになっちゃいました。
びびりまくり・・・。












続いて、ピストル実弾。
男だったら、憧れますよね、ピストル。
ピストルに実弾入れて、嫌な野郎とか、ハチの巣にしたいと思いませんか？
ね、思うでしょ？
これ、街中にあるんですけど、受付のおばちゃんも、指導するファンクな男も、態度悪くてさ～。こっちは、初心者なんだから、「もっと丁寧に教えろよ・・・」って思うんだけど、英語で言えず。
段々と、玉の口径が大きくなってくると、すごい衝撃ですよ。
例えば、ルパン３世の次元大介が持っている、マグナムとか、半端ない衝撃。
片手じゃ撃てない。
両手じゃないとね。
これも、ビビりましたよ。
気分はタクシードライバーの、ロバートデニーロだったんですが、気の弱いロバート君みたいになっちゃいました。

















エルビスプレスリー、エルトンジョン、レディーガガ、マイケルジャクソンの、そっくりさんのショーを、見に行きました。
これ、高いんですよ。
飯付きなんで。
ステージ写真は、撮れないみたい。
マイケルのそっくりさんのダンスは良かった。
ムーンウオークを始めとする、滑るような足さばき、見事でした。
まず、マイケルの真似するなんて、それだけで、評価ですよ。
だって、できないでしょ？
あんなこと。
エルトンジョンは、デブのオッチャンでした。


これ、レディーガガのそっくりさんです。ちゃんと、ビキニ着てやってましたよ。









あとは、船で天使の海ってところ行って、シュノーケルやりましたよ。
なんでも、パイレーツオブカリビアン、ジェラシックパーク、ＴＶドラマシリーズのロスト、など、撮影された付近です。











飛行機長かったですね・・・・。
キャビンアテンダントさん、いい匂いしましたよ、マジで。
文庫本をひたすら読みましたよ。
矢沢永吉の『成り上がり』を。
高校の時に読んで、１０年前にも読んで、３回目の読書。
おもしろい。
『・・・成功したい！ＢＩＧになりたい！・・』って、思っている少年は読むべきだろう。








そうそう、オリンピックサッカーの結果が、気がかりでさ～。
あっちのニュースで、なでしこがアメリカに負けたことを知り、日本着いてから携帯ネットで、男子サッカーが韓国に負けたことを知り、一人、悔しがっていました・・・。





とまあ、夢は終了ってことで、現実に戻ってゆくわけです。
がんばりましょう！




ＢＹナリハラ









  

ハワイ行ってきました。
いや～、やっぱり、楽園ですね、あそこ。
いろんな、人に愛されている意味が、多少なりともわかりますよ。
ホノルル空港、降りて、検査受けて、表に出た瞬間に感じるあの匂い・・・。
なんなんだろう？
ココナッツ？ハイビスカス？
この島は、まず、あの匂いにやられてしまいます。













個人的には、３回目になります。
しかし、前回来たのは、２０年前、なので、「この街は、どんなふうに、変わっているのか？」ってなことを、考えましたけど、全く変わっていませんね。ここ。
そのまんま。
ハワイはハワイのまま。
うれしいですね。
この感じ。
むちゃくちゃきびしい、島の法律や建築基準法に守られ、金儲け主義の日本企業が、土地買ってビル建ててってことが、できないんでしょうね。
いいことですね。
ハワイ的にはいいことですよ。
だって、ホノルルでユニクロとか見たくないもん。
ハワイはハワイのままで。














さて、日本を出る時は、熱かったですよ。
35℃、汗ダラダラ、いつも通りの日本の熱波。
「きっと、ハワイも熱いんだろうな？」と、思っていたけど、全然快適。
ほどよい暑さ、時々曇り。
そして、何よりも、いつも吹いているハワイの風。
この、ハワイの風が、最高に気持ちいい。
このまま眠っちまいたいくらいの風。
そうそう、これが夏のあるべき姿でしょう。
そうそう、これこそが、我々がイメージする夏の姿でしょう。
日本の夏は、殺人的だ。
ちょっと、おかしいよ、あの暑さ。
できることなら、ハワイの風を、クソ熱い日本に吹かせたい、と、思いました。







ちなみに、ＪＴＢツアーで行ったんですけど、専属バスが何本も走っていて、窓がなくて、車内むきだし的なバスなんだけど、無料乗り放題で、このバスが走ると、ハワイの風をモロに感じることができて、気持ち良くて、乗って遊んでました。
このバス、最高でしたよ。












今回、俺はファミリーで行ったんですよ。
で、リトルヴォイスあさの君も、２日前にハワイに奥さんと来ていましたよ。
ホテルも同じ、シェラトンワイキキ。
電話で打ち合わせて、ホテルロビーで会った時は、感動して首しめちゃいました。
で、夕食会を、水族館的な、バイキングレストランで、やったわけです。




あさの君たちの帰りの飛行機、飛ばなかったんだって。
なんか、翼の調子がおかしいとかで。
次の日は、飛んだようです。
また、高山で・・・・・。









もうちょい書きたいんで、続きます・・・・・。





ＢＹナリハラ