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2011年02月28日

ゆれたね~。



久しぶりにゆれたね~。寝てたら、グラッグラッでしょ。
「お~・・・」って感じで、収まったんで、また寝たら、朝方にまたまた、グラグラ・・と。
震度4?なの?
よかった、まあ、その程度でね。
震度5、6, 7だったら、今頃、のんきに「ゆれたね~」なんて、言ってられなかっただろうしね。
ここまで、この地方が揺れたのって、阪神淡路大震災以来じゃないかな?あんときも、「お~・・・」って感じだったね。
橋本ぼんちゃん情報によると、パスポートの壁に置いてあったグラスが、床に落ち、ガラスが散乱していた、と、日曜の昼に発見したらしいけど、建物の老化と、3階ってのが、影響したんだろうか?
まあ、とにかく、この程度で、よかったよかった・・・。







災難って、突然やってくるでしょ。夜中とか早朝でも、おかまいなしだ。
災難の大きさによっては、人生が変わってしまいかねない。
恐いな~、と、思うよ。
リックサックに、非常食とか懐中電灯とか、用意してある?
俺、まったくですよ。
「まあ、大丈夫大丈夫、そんときはそんとき・・・」などと、安易に考えて生きています。
可能性は極めて低いけど、当たってしまったら、はいさようなら・・・、的な世界。
これは、地震に限らず、火災、水災、雪災、自動車事故、あと・・・人災か?いちゃもん付けられて、殴られるみたいな・・・・、病気だってそうかもしれない。
考えれば、けっこうある。
人が生きるということは、リスクの上を歩いているようなものなのだろう








「保険に入っているから大丈夫・・」なんて考えは、捨てた方がいい。
俺が、こおゆうこと言うと、ちょいと『アレ』なんですが
保険は、その災害により損傷した目的物に対して、約款に照らし合わせて、保険金が支払われる、だけのシステムです。
例えば、腕を切断したとしよう。
保険的に傷害保険金が1000万支払われたとしよう。
「よかった、よかった」と、思う?
思わないよな、もちろん。
金で、換算できないもののほうが、人生にとっては絶対多いから、気おつけようね、できる限りさ。








保険的に、もうひとつ・・・。
火災保険に入っているから、地震の家屋の倒壊も、保険金が支払われるか?
答えはNOです。
火災保険に付随して、地震保険も契約しなくちゃダメです。
保険料はもちろん高くなるし、建物に2000万の保険金額が設定されている場合、半額の1000万までしか、契約できない。
実際、地震で、家が全部壊れてしまったら、保険金として1000万支払われる。
「なんだよ、1000万かよ、これじゃ、家は建てられないじゃないか!」と、なるでしょう。
その通りです。
契約の時、イメージしましょう。
それでいいのか?
そして、保険屋さんと、よく相談しましょう。
そりゃ、めんどくせー話です。
起こるはずもない事故について、頭を悩ませるなんて、時間の無駄のような気がします。
しかし、話をよく聞いて、決断されることを、お勧めします。
決断権は、契約者にあります。
なにか、事が起こってから、「え~!、これだけしか出ないの!?・・」とか「え~!こんな保険だったの!?」とか、「え~!、お前を信じたのに!」とか、言わないために、そして、言われないために。
『よし、では、これで契約しよう』と、納得した上で、契約者は、印鑑とサインをするべきです。





権限は、契約者にあります
どうか、がんばってください・・・・・。









BYナリハラ


  
Posted by PSPスタッフ at 11:49Comments(0)

2011年02月25日

KIND WORD







「あなたが、そうしたいんだったら、それが正解だと思いますよ・・」と、彼女は言った。
彼は、そんなことを言われたのは、ずいぶん久しぶりのような気がした。
いや、初めてかもしれない。
彼は、その言葉に、どう反応してよいのか、戸惑った。
「ありがとう」とも言えないし、「いや・・・そんな・・・」とも、言えない。
それほど、彼女が発した言葉は、彼を固まらせた。
彼女が言った、『肯定』。
『否定』ではなく『肯定』。
今まで、否定され続けて生きてきた彼にとっては、どぎまぎするのも無理はない。
どぎまぎ・・・・。









彼は40歳。
妻と中学生の子供が一人。
仕事は、自動車部品製造工場に勤務。
正確は、おとなしく、争いを好まず、存在感はきわめて薄く・・・。
与えられた仕事はちゃんとこなし、ギャンブルはしない、お酒はビールを付き合い程度、女は妻しか知らない。
休日は、ユニクロのシャツとジーンズを着て、公園で一人文庫本を読む。
鳩に餌をやることもある。
自転車が倒れれば起こしてやり、ごみを見つければ拾い、笑いかけてくる子供がいれば、ニコッと微笑みかえした。
日曜日の公園と、同化することを彼は好んだ。
日曜日の公園が、彼に似合っていた。









そんな彼は、否定され続けてきた。
否定され続けた人生だ。
小さい頃は両親に、結婚してからは妻に、だ。
「どうして、もっといい点をとらないの?だめでしょ」
「どうして、手をあげて発言しないの?だめでしょ」
「運動会のリレーで、ころぶなんて、はずかしいでしょ!」
「なんとか言いなさい。黙ってちゃわからないでしょ!そんなことでは、立派な大人になれません!」
と、両親は、毎日のように、彼に詰め寄った。





大人になってからは、その役を妻が引き継いだ。
「お隣の田中さんのご主人、こんど課長さんだって。あなたはどうなの?」
「こんな狭い社宅にいつまで住むわけ?家を持とうとは思わないの?」
「誰?お風呂場の髪の毛?あなたでしょ!ちゃんとゴミ箱捨ててよね!」
「休日返上で仕事!?どおゆうこと?じゃあ、物置の整理は誰がやるの!?」
「ねえ、何とか言ったら?何か答えなさいよ!」
彼だって人間だ。
最初はもちろん反論した。
「そおゆう言い方はよくない。僕も最善は尽くしている。ヒステリックになるのはやめてくれよ・・」
「なんですって!あなたに、そんなこと言う資格があるの!?だいたい、あなたはね・・・・・・」
と、妻の彼への否定は夜まで続き、次の日を通過し、やがて年中そんな状態になった。
「右の道に行こうか?」と彼が言えば、
「違うわよ、左に決まってるじゃないの」と、妻は返した。
「これ、おいしいね」と、彼が言えば、
「あっちのほうがもっとおいしいわ」と、妻は返した。
「金曜日のドラマ、おもしろいみたいだよ」と、彼が言えば、
「そのドラマは、出演者が2流だって、友達のともこからメールが着たわ」と、妻は返した。








彼は、段々と、発すべき言葉を失い、この否定され続ける人生を受け入れるようになった。
もともと、リーダーシップを取れる人間性を持ち合わせていないため、受け入れるより他に手立てがない。
彼は、自分では何も決められない男になっていった。
例えば、箸をひとつ買う時でも、妻に電話した。
「箸を買ってもいいかな?」
「いくらなの?」
「600円だよ」
「100円ショップで買いなさい」
「わかったよ・・・」
と、そんな感じだ。
彼は、『否定され続ける男』として生きている。
『悔しい』とか『情けない』なんて感情も、今はない。
もうない。
受け入れてさえしまえば、それはそれで生きてゆける・・・・・。













公園で、犬を連れた彼女に出会ったのは、1ヶ月前だ。
きっかけは、犬がガラスの破片を踏み、血を流しているところを、彼が手当てしたのがきっかけだ。
彼は、水で、犬の足の血を洗い、ハンカチで縛ってやった。
「ありがとう」と、彼女は言い、「いえ」と、彼は返した。
翌週、「この前はありがとうございました」と、彼女はクッキーを彼に渡した。
「そんな・・・・いいのに・・・」と、彼は恐縮した。
翌週、「こんにちは」と彼女があいさつし、「こんにちは」と、彼も返した。
そして、今日、突然の雨。
彼が、文庫本を読む、大きな木の下で、彼女と犬が雨宿りにやってきた。
「突然、降りだしちゃいましたね・・」と、彼女。
「そうですね」と、彼。
二人と犬は、雨を見ながら、一言二言会話を交わしてゆく。
犬の話、読んでいる本の題名、住んでいる家の話、この公園は昔大きなゼロ戦工場だったって話。
そんな、他愛もないものだ。





雨は、いくぶん、和らいでいった・・・・。





「お仕事は何をしているんですか?」と、彼女。
「自動車部品を作る工場です」と彼。
「楽しいですか?」
「楽しくはありませんよ」
「どうしてですか?」
「・・・・・・」と、彼は言葉を詰まらせた。
彼は、自分の考えを言葉にすることが、ずいぶん久しぶりだった。
彼は、意識を集中し、なんとか言葉をつむぎだした。
「楽しいという観点から仕事を見たことがないからかな?本当の事言うと、仕事やめて田舎に行って、野菜や米を作りたいんですよ。でも、現実は、そうもいかないんです。家族に迷惑がかかるかもしれないしね」
「ご家族には、言ってないんですか?」
妻の顔が一瞬よぎる・・・。
「とても、言える環境ではないんですよ」
雨は、ほとんど、上がった。
太陽が、少しだけ射す。






彼女は言った。
「あなたが、そうしたいんだったら、それが正解だと思いますよ・・・」と。







彼女と犬は、「それじゃまた」と言い、行ってしまった。





彼は、彼女の言った言葉を胸に刻んだ。






彼は農業をしたいと、真剣に考えているわけじゃなかった。
遠い夢のひとつである。
ただ、彼は、自分の意見を肯定されたことに、喜びを感じていた。
肯定された喜びは、ボディブローのように、効いてきた。
彼は目を閉じ、自分でもう一度、言ってみた。




「あなたが、そうしたいんだったら、それが正解だと思いますよ・・・」と。

















BYナリハラ





  
Posted by PSPスタッフ at 11:38Comments(0)

2011年02月23日

ウォークマンがナウかった1978



音楽は部屋の中で聴くものだった
部屋にステレオセットがデンっとあって、ターンテーブルにレコードを乗せて、聴くものだった。
しかし、SONYはやってくれた。
『音楽を外に持ち出そう!』などと、糸井重里ばりのキャッチコピーとともに、1978年ウォークマン発売。
CMも、アメリカ西海岸で、ローラースケート履いたブロンディが、オレンジジュース片手に、耳にはヘッドフォンみたいな感じ?
そんなCM見ながら、少年少女は、こう言った『ナウいじゃん・・・』と。
街並みで、駅で、公園で、お兄さんお姉さんが、ウォークマンを聴いている。
いったい何を聴いていたのだろう?
1978年だから・・・、エルトンジョンか?、ロッドスチュアートか?、世良まさのり&ツイストか?、オフコースか?
綺麗なお姉さんが、雑誌眺めながら、聴いている音楽が気になってしようがない。
「ウォークマンで、今、何を聴いているのですか?」
なんて、問いかける勇気もなく、横目でカセットテープのラベルを必死に読み取ろうとしたっけな?
勝手に「彼女はユーミンを聴いている・・」と、思ってたけど。
嗚呼、懐かしの、1978年。
マイルドセブン150円、コーヒー1杯180円、初任給8万5千円・・・・
とにかく、SONYはやった。
ナショナルも日立もやらなかったが、SONYは若者を味方につけた
そんな、年だった。



ウォークマン以前、音楽を外に持ち出す方法は?
そりゃもう、単純に、ドでかいラジカセを、アタッシュケースみたいに持ち歩くしかない。
そいで、公園行って、大音量で流す。
それはそれで、気持ちよかったですよ。
まわりは、迷惑でしょうが。
「俺の好きな曲聴け!」みたいな。
「ROCK聴け!」みたいな。
その頃、原宿ホコ天では、どでかいラジカセ地面に置いて、竹の子族が踊ってた。

曲は、ディスコミュージックだ。
アバ、アラベスクあたりだろう。
俺は、残念ながら、現場に行ったことはなかったけど、原宿ホコ天に行った友達が、完全に打ちのめされて帰ってきたことを覚えている。
竹の子はすごい・・・」と。
なにが、どうすごいのか?がわからないが・・・・。





今、ほんと、I-PODがお友達ですよ。
みなさんもそうでしょ?
音、いいですよね。
「へえ~、ウラでこんなギター鳴ってるんだ・・」と、新たに発見したり。
アラウンド50のみなさん、子供がI-pod聞いてたら、勇気を持って言いましょう。
『ナウいじゃん!』と。
『NOW』と書かれた、Tシャツ、まだ持ってるんじゃないでしょうね?
俺は、『UCLA』と、書かれたTシャツ、こないだ、ダンスから出てきましたよ。
ナウいでしょ?












BYナリハラ  
Posted by PSPスタッフ at 10:00Comments(0)

2011年02月21日

BABY BLUE




「そろそろ、結婚しようか?」
「そうしようか・・・」
と、二人は結婚の約束をした。
付き合って5年、一緒に暮らし始めて2年、別に不思議な話じゃない。
『彼と彼女は結婚して当然・・』と、まわりの誰もがそう思った。
彼は29歳、彼女は27歳、ごく普通の、ごく自然の、ごくシンプルな流れだ。
彼と彼女の両親はこう言った。
「それはよかった」と。
彼は仕事がある程度軌道に乗り、収入的にも安定している。
もちろん裕福、とはいかないまでも、子供を作り育てていけるだけの自信はあった。
彼女も、自分の仕事に未練はないし、贅沢な暮らしを求めるほどの馬鹿じゃない。
つまり、二人の結婚は、何の障害もなく、ごくごく自然な出来事である。
『お幸せに・・』だ。










式の日取りが決まり、ドレスがどうの、旅行がどうの、引き出物がどうの、と、二人は忙しく決めていった。
「なんか、いろいろと、大変だね」と、彼は言った。
「ほんとね」と、彼女は答えた。
「よかったね」と、まわりの友達は祝福し、「誠にありがとうございます」と、ブライダル担当者は頭を下げた。
すべてが肯定的に流れ、みんなが幸せそうな雰囲気、の、ような気がした。
の、ような気がした・・・・?。










しかし、1名、何かひっかかっている人物もいた。
誰?・・・彼女自身だ。
なぜ?・・・それが明確ではない。
理由が明確じゃないのに、『何かひっかかっている・・』彼女。
ときおり、一人の時、BLUEにさいやまれる。
「ダメダメ」と、首を振り、彼女は『しゃん』としようとする。
しかし、時折、やってくるBLUE。
彼女は、一人バーで、携帯をOFFにして、カンパリソーダを前に、自問自答する。
「彼のことがほんとに好きなの?」
「YES・・・」
「結婚は、うれしいことなの?」
「YES・・・」
「仕事に未練はないんでしょ?」
「YES・・・」
「わかった、他に好きな人がいるんじゃないの?」
「NO・・・」
「じゃ、何?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
最後の、瞬間で、彼女の心は、本心を隠そうとする。
自問自答なんだから、素直になればいいのに、それでも彼女は本心を隠した。
彼女のプライドが、モラルが、世間体という媒体を通して、本心を包み込んでしまう。
BABY BLUEは、続く。












結婚2週間前。
「大阪の友達に会ってくるね。大学の時の友達なんだけど・・」と、彼女は言った。
「ああ、気をつけてね」と、彼は返した。
『大阪の友達』というのは、もちろん嘘だ。









彼女は、ビジネスホテルに着くと、着替える。
いつもの、シャープなパンツスタイルではなくなる。
ラメ入りピンヒール、ブラッキーな網タイツ、スリット入りマイクロミニ、トップスは胸が強調されるレッドシャツ、メイクは極めて濃く、エクステーションヘヤー、香水はChloe・・・・完成だ。
彼女は、どっからどう見たって、娼婦そのものだ。










午後、7時、心斎橋に立つ。
「一人、ねえ、どっか行かない、俺と」
「あの・・・おいくらですか?・・・」
「システムは、どうなってるの?・・・」
と、1時間も経たないうちに、様々な男が声をかける。
「待ち合わせなの・・・ゴメンなさい・・」と、彼女は男たちを遮断する。
『違う・・・彼らじゃない・・・』と、思う。
彼女が待っているのは、ジャニーズ系イケメンじゃない。
「ねえちゃん、俺らと遊ばねえか?」
プロレスラー的風貌の二人の男。
大きな体、短髪、髭、ぶ細工な顔。
『これだ!』彼女は、そう思う。
「遊ぶって、どおゆうふうに?」と、彼女は笑みを浮かべながら言った。
「なんでもいいぜ!なんだったら、ホテル直行でもいいぜ!」
「3人で?」と、彼女。
「ハハハ、おもしれえ、いいよ、3人でも・・・」
彼女は、微笑み、両手で、二人のペニスをわしづかみにする。
『やろうぜ』のサインだ。










ホテルの夜は長かった。
彼女は、二人の男のザーメンをすべて、吸い取った。
もちろん膣で、マウスで、フィンガーで、脇で、すまたで・・・。
二人同時にプレイもした。
一人は、アナルに射精した。
夜中になって、ルームサービスで、あれこれ注文し、それを食べ、そしてまたプレイ。
彼女の心は解放され、1匹のメスと化し、何十回もイクと同時に、潮を吹いた。
二人の男は、ところかまわず射精した。
朝の5時には、彼女の顔はザーメンだらけになり、その激臭が充満した。
彼女は、『快感』の渦の中で泳ぎ、カナギリ声を上げた。
『ギャー!!』と。
男たちが、帰った後、彼女は余韻の中で、マスターベーションを2回した。
2回目のマスターベーションで、彼女のBABY BLUEは、ことごとく流れていった・・・・・。











「これ、大阪のお土産、たこ焼きせんべいだよ」と言い、彼女は彼にお土産を渡した。
「サンキュ、でも、本物のたこ焼きがいいな」と、彼は言った。
「今度は、二人で行こうよ」
「そうだな、ずっと、一緒なんだし、いつでも行けるよな」
「うん、ずっと、一緒だよ」
「よろしくな」
「こちらこそ、よろしくね・・・」











ウエディングベルが鳴る。
BLUEは、存在しない。
二人は、友達の祝福を受け、満面の笑みを浮かべKISSをした。
お幸せに・・・・・。





補足になるが、彼女は彼しか知らなかった。
彼としか、SEX経験がなかった。
彼しか知らずに、結婚することに、ある程度の不安を抱えていたのだろう。
そして、彼との、お上品なSEXに、多少の不満もあったのだろう。
だけど、『もっと、ハードに・・』とは、言い出せない。
彼女が持つ、モラルとプライドが邪魔をしたってことだ。








人間は、A面だけではわからないものだ。
B面に潜む、欲望を理解してあげで、時にはそっとしておき、時には手を差し伸べ、そんなことができるならば、ジョンとヨーコにだってなれるだろう・・・・。






















BYナリハラ



  
Posted by PSPスタッフ at 11:45Comments(3)

2011年02月18日

型にはめるのはやめてくれ



少年の生まれた家は、その町じゃ老舗の呉服問屋だった。
もちろん、お金持ちの家だ。
お店には、従業員が50名いて、朝から晩まで活気に溢れている。
少年のお父さんは、店主であり、社長であり、自治体の会長であり、市議会にも顔が効く存在だ。
少年のお母さんは、番頭であり、おかみさんであり、婦人会の会長であり、この町の風紀委員長も務めている。
まるで、絵に描いたような、1点の曇りすらない厳格な家庭である。
テレビはNHK、新聞は日本経済新聞、DVDコレクションは世界の風景、CDコレクションは能楽と古典落語。
社会に存在する、ありとあらゆる、欲望的表現や娯楽的風俗を、シャットアウトした生活。
と、そんな家だ。
しかし、二人には、苦悩もあった。
子供ができないのだ。
「あととり」ができないのだ。
二人は、厳粛にSEXした。
キスもクンニもフェラチオも存在しないSEX、入れて出すだけのSEXを、月に1度だけした。
やがて、1年後妊娠、10ヵ月後出産。
二人の願い通り、男の子だ。
「これで、『あととり』が、できた・・」
二人は胸をなでおろし、もうSEXをしなくなった。
「『あととり』が誕生すれば、こんなはしたない行為は、もうしなくていい・・」と、二人は思った。
「やれやれ・・」と、二人は思った。




少年が5歳くらいになると、しつけという名の、強制が始まった。
三つ指をついての挨拶の仕方、和装の着付け帯の巻き方、初歩の日本舞踊。
「そう、いい子ね、おじょうずよ。えらい子ね・・・」と、母親は喜んだ。
少年は、正座をして、お辞儀をした。
母親の喜ぶ顔を見るのが好きだった。



少年は、高校までエレベーター式の厳格な学校に入学した。
そして、おけいこ事として、習字、お茶も、追加された。
少年に、友達と遊ぶ時間はなかった。
放課後も土日も夏休みも、冬休みも、春休みも、おけいこ、おけいこ、おけいこ。
父は言った。
「お前は『あととり』だ。しっかりといろんなことを学ぶんだ」と。
「はい」少年は答えた。



10歳のとき、少年は言った。
「サッカーがやりたい」と。
父と母は言った。
「サッカーをやる必要はない」
「サッカーは、『あととり』に関係ないでしょ」



12歳の時、少年は言った。
「DVDプレーヤーとCDプレーヤーが欲しい」と。
父と母は言った。
「買ってもいいが、何を見るんだ?」
「そうね、おけいこの教習ものだったら、いいわよ」
「どちらにしても、お父さんとお母さんが許可したものじゃないと、見たり聴いたりしちゃだめだぞ」
「それだったら、許可しましょう」
少年は「インディージョーンズとスタンドバイミーが見たいんだけれど・・」と、聞いたが、答えは「NO」だった。



中学になると、呉服問屋の経理も、母親が教えだした。
父親は、少年の髪をバリカンで刈り、えなりかずきのような頭にした。
母親は、少年の着る服を選び、それを着せた。
まるで、朝鮮労働党のような服だ。
「これでいい」と、父親は言い、「よく似合うわ」と母親は言い、「ありがとうございます」と、少年は答えた。




15歳の時、少年の心に微かな疑問がわいてくる。
「何かが違うかもしれない・・」と。



そして、高校の時、初めての反抗。
「おとうさん、おかあさん、友達とカラオケに行ってくるよ」
両親は言った。
「カラオケは、必要ない。行かなくていい」
「あなたは、そんなことしなくていいのよ。もう高校生なんだから、少ししたらこの店のあとを継ぐのよ。遊んでいる暇なんかないのよ」
しかし、少年は突っぱねた。
「いや、行くよ。行きたいんだよ」
両親は言った。
「行く必要はない!」
「そんな場所に行くなんて、ろくな人間じゃないのよ!」
少年は、出かけていった。




この日を境にして、少年の反発は始まった。
反発と言っても、たいしたことじゃない、ごく普通のことだ。
ただ、両親にとっては、大事件だった。
まず、少年は髪を伸ばした。
「バリカンで刈るぞ」と、父に言われ、「いや、伸ばすよ」と、答えた。
部屋で、リンキンパークを聴いた。
「何なの?このキチガイじみた音楽は!」と、母親に言われ、「悪いけど、部屋に入らないで」と、答えた。
破れたジーンズを履き、大きめのパーカーを好んで着るようになった。
「なんだ!その格好は!さっさと脱げ!そんな子に育てた覚えはない!」と、父は叫んだ。
「いや、脱がない・・」と、少年は答えた。





そして18歳の時、少年は中指を立てることとなる。



「最近のお前はなんだ!たるんでいる!、いいか、お前は、この店のあととりなんだぞ!わかっているのか?」
「そうよ、どんな気持ちで、あなたを育ててきたと思っているの!?言うことを聞きなさい!」
「いいか、この店は、代々続いた老舗なんだぞ!今のお前に、それが継げるのか?」
「いったい、どうしたって言うの?昔は何でも言うことを素直に聞いたのに!」
「おい、何とか言ってみろ!」
「答えなさい!黙ってないで!」
少年はうつむく顔を上げ、大きくため息をつく。
「やれやれ・・・」と、言う。
少年は、眉間にしわを寄せ、眼光鋭く両親を見つめる。
そして言う。
「お父さん、お母さん、いいかげんに気付けよ」
「な、なんだと?・・」
「あなた方は間違っている。俺は、あんたらのロボットじゃない」
「・・・・・・・」
「もう、いいかげん・・・型にはめるのはやめてくれ!」
両親は、慌てふためき、顔を見合わせ右往左往・・・・。


「ファックユー!」
そう言って、少年は中指を立てた。


少年は、こうやって、自由を手に入れた・・・・・・。


少年は、美容師学校に進むことを決意する。





















BYナリハラ





  
Posted by PSPスタッフ at 11:37Comments(0)