2008年09月17日
夏の終わり
プールサイドに水しぶきが上がる。
太陽光線で焼かれたコンクリートを一瞬冷やす。
生暖かい湯気が上がる。
その湯気を踏みつける足足足・・・。
巨大アミューズメントプールはいつも大盛況だ。
赤、白、ピンク、エナメル、ヒョウ柄・・・などなどのビキニをつけたお姉さま達が、プール内をさっそうと歩く。
やや外側のゾーンには、筋肉質の野郎たちが5~6人、ターゲットを決め代表者が歩み寄る。
「ねえ、どっから気たの?」「俺らと遊ばない?」「あっち行ってなんか食べない?」
ナンパは一応の成功を収める。
彼らと彼女らは、フード&ドリンクゾーンにやってくる。
いよいよ俺の出番だ・・・。
「えっと、ポテトと、ビール3つと、ブルーハワイとジントニックと・・・・」
「あの、未成年ではありませんか?」と俺はマニュアルどおりにたずねる。
「ちがうよ、二十歳超えてるから・・・・」と、彼らは若干不機嫌になる。
「車の運転はされませんか?」
「電車だよ!早くやれよ!」
「すいません・・・・・・・・お待たせしました、どうぞ」
「ちぇ、気分わりーな・・・」
俺は、頭を下げる。
俺の夏は、こんな感じで過ぎて行った。
限られたフード&ドリンクスペースで、焼きそばと戦った。
何百人分という焼きそばを、分厚い鉄板の上で焼き続けた。
夏の暑さと、人々の歓声、BGMで流れる『レゲエ』、焼きそばの焼ける音、ソースの匂い、そしてケチをつけてくる野郎ども・・・・。
そんなものがブレンドされ、汗が流れ、もうろうとし、営業時間終了とともにぐったりする。
「もうやめよう」と思う。「どうせ、バイトだし」
でも結局9月の中頃の営業終了まで俺は続けた。
最終日は雨。
客もマバラ。
俺のいるフード&ドリンクスペースも閑古鳥状態。
俺は同じスペースのやはりバイトの女の子にたずねる。
「ねえ、俺泳いできちゃダメ?」
「いいですよ、私一人でも大丈夫だと思うし・・・」
レンタル水着を借り、ほとんど誰もいない雨のプールに飛び込む。
流れるプールに漂い、ウオータースライダーを滑り落ち、シンクロプールの一番下までもぐる。
顔見知りが俺に声をかける「おい、仕事は?」
俺は答える「やめましょうよ、その日本人的考え」と。
やがて雨が上がり雲の切れ間から太陽が差す。
夕焼けだ。
俺は仕事場に戻り、バイトの女の子に言う「すいません、焼きそばとビールね」と。
女の子は、少し笑い「はい」と答える。
「夏も終わりますね」と女の子は言う。
「うん、終わるね」と俺は返す。
「バイトばっかりでしたね」と女の子は言う。
「焼きそば2008年夏・・・って歌つくろうかな?」と俺は返す。
「ギター弾けるんですか?」
「ギターは弾けないけど、焼きそば作らせたらうまいもんだよ・・・」
「へえ~」
俺は夕焼けの空を見上げ、焼きそばを食い、生ビールを流し込む。
どんな人にも平等に、夏の終わりは到来し、思いでも様々だ。
その思い出とバイト料を内ポケットにしまい、秋に向かう・・・。
バイトが終わってから、その女の子を飲みに誘ったのは言うまでもない・・・。
俺にだって何かいい事のひとつくらいあってもバチはあたらないさ・・・・。
20日(土)
“UNPLUGGED vol.5”
OPEN 19:30~ START 20:00~
in 1000yen with1drink
《BAND》
○MIKA
○Coffe-milk crazy
○坪内流飛呂之栄会
○朝倉 圭一
○Sand Glass
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21日(日)
“天翔龍閃”
OPEN 19:30~ START 20:00~
adv 1000yen door 1400yen with 1drink
《BAND》
○Et:lanse
O.A. ???
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BYナリハラ
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Posted by PSPスタッフ at 16:35│Comments(0)